Q.オイルの粘度


「0W20」というは、外気温が-30℃~20℃で使用するのに適しているという意味で、柔らかいオイルであることを示している。
一方「20W50」という場合には、-10℃~50℃が適しているという意味で、硬いオイルであることを表している。
つまり適応温度が高ければ高いほど、熱くならないとオイルがエンジン全体に回りにくく、逆に適応温度が低いほど、高温でタレて油膜不全をおこしてしまう。
そのためエンジンの特性やドライブの仕方、気候の状態などによって、クルマに適したエンジンオイルを選ぶのがオイル選びの基本だといえる。
つまり暖かいとオイルはやわらかくなりサラサラになる。逆に冷えているとオイルは硬くなってドロドロになる。このようなオイルの変化をわかりやすくするため、SAE(米国自動車技術者協会/Society of American Automotive Engineers)ではエンジンオイルをSAE年度分類に数値化し、SAE年度番号というカタチで表現。
これがオイルの硬さを表すものとしてこれが一般に定着したのだ。

ちなみにSAE粘度分類ができた当初は、粘度番号によって規定された粘度の測定温度は-17.8℃(°0F)を0とし、98.9℃(100F)を100に単位を設定。低温時の対応能力はわかりやすくするために、先頭の数字にはウィンター(Winter)の頭文字をとって、「W」をつけることになった。
ところがオイルの性能が向上し、今までの表記基準では粘度を表現できなくなってしまった。
そこで2001年にSAE粘度分類の基準が変わり、冒頭の数字はエンジンが回った際にオイルポンプが吸い上げることができる外気温度を表記。さらにはエンジンが150℃時のHTHS(高温や高せん断の度合)といったエンジン内部における潤滑具合などが規格に盛り込まれた。